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清風万里の秋 [宗教]

 おっと、冷凍庫にアイスクリームを発見!。食べながらパソコンのキーボードを叩くことにしよう。今日は空気が澄んでいて遠くの景色までよく見える。気温も涼しくて心地よい。秋だな~(しみじみ)。

 「昨夜一声の雁、清風万里の秋」という禅語がある。「昨日の夕刻に空を見ると雁の群れが鳴きながら飛んでいた。夏だと思っていたがいつの間にか雁が渡ってくる季節だ。清々しい風が吹き、至る所に秋の気配が漂っている」という情景を表した一句である。
 ただし禅語であるからには、ただの情景を表しただけのものではない。修行者が長い修行の末、機が熟してある日忽然として悟りを開くことを表している。雁の声を耳にして秋の到来を実感することと、重ね合わせて表現しているのである。
 悟りでなくとも、日々の生活の中でもやもやしていたものが一つのきっかけで解決すると、本当に清々しい気持ちになれる。空気の澄んだこの季節に相応しい、清らかな一句だと思う。

 現在妻と子が里帰り中で家の中が静かだ。よし、こんなときこそ時間をかけて書類整理をしよう。ちょっと早いけど冬支度で、部屋にホットカーペットも敷いてしまおうか。
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諸行無常 [宗教]

 強力な「台風18号」はもう避けられそうもない状況だ(ふう)。何事もなく朝を迎えられればいいんだけどなあ。

 今さらですが、先日の中川昭一元衆議院議員の訃報には驚いた。個人的に将来を期待していた政治家だったので。だから余計、「もうろう会見」のときにはがっかりさせられたものです。「二世議員で苦労知らず」と言われていた方なので、8月の総選挙での落選は一皮むけるための良いきっかけになるのではないかとひそかに思っていた。これを乗り越えて復活すれば人間的にも練れたであろう、強くなったであろう、きっと日本国の力になってくれたはず。そう思うと本当に残念です。宗教家である私には政治家のようなことはできない。

 「人の死」は思いがけず、突然にやってくることがある。しかし、世の中は回っていく。大事件でも、数日経てば世間はすぐ忘れ去る。諸行無常である。ご冥福をお祈り申し上げます。
タグ:中川昭一
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達磨忌 [宗教]

 多忙が続いて久々の更新。特に4日(日)は当寺の達磨忌と息子の運動会が重なり、ハードな一日となった。

 自坊では10月の第一日曜日に達磨忌を開催するが、禅寺では本来、10月5日に行なう法要である。
 達磨大師は4世紀の終わりに南インドで生まれ、中国に禅を伝えた。そのため禅宗(日本では主に曹洞宗・臨済宗・黄檗宗の総称)の初祖と位置づけられている。
 達磨大師の話をするときに最も有名な話は、当時の中国の王様である武帝との問答である。簡単に言うとこんな話。「私はこれまで仏教のために多くの寺を建立し、お坊さんに供養をし、お経を書き写す写経などもしてきました。どんな功徳があるでしょうか。」という武帝の問いかけに対して、達磨大師の答えは「無功徳」、つまり功徳はまったく無いという、そっけないものであった。正直、一般の人にはわかりにくい話です(苦笑)。損得の世界、分別の世界から離れられずに価値判断を行なって生きていては、「真の心の安らぎ」(言い換えれば悟り)など得られようはずもないという達磨大師のメッセージであると、私は理解している。しかしこれを在家の方々にお話する場合、やはり工夫が必要だ。そのまま話しては「何それ?」で終わってしまう恐れがある。

 臨済宗では古来より「不立文字」という言葉がある。「まずは禅体験が第一である」という、実践重視の宗風を表す言葉である。その禅体験によって文字を読んでこそ、初めて理解が深まるという訳だ。
 皮肉なことに、「不立文字」なはずの禅宗は祖師によって著された書物が大変多い(笑)。ただ、中国の祖師たちは十分実践を積み、禅体験を尽くした立場で書物を書いて(もしくは言葉を発して)おられる。それを現代社会において一般の方々へと布教するのは、どう考えても生半可ではない!。布教のために、まずは僧侶自信の「終わりなき」鍛錬が必要不可欠である。
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秋季集中スタート [宗教]

 本日から、妙心寺開山無相大師650年遠諱、秋季集中団参の期間がスタート。全国から訪れる多くの参拝者の方々で賑わっている。引率の和尚様方、お疲れ様です。
 妙心寺周辺の家の軒先には提灯や紅葉の造花(作葉?)が飾られていて大変賑やか。妙心寺のために飾っていただいている家々の皆様、ご協力ありがとうございます。
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 そう言えば春の集中期間は桜の造花だった。あれもきれいだったな~。今回は紅いので、より目立ってます。

 集中期間は18日まで続く。無事円成を祈る!。
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今日のイベント [宗教]

 今日は本山で遠諱にちなんだ大きなイベントが2つ。

 数日前から開催されていた、全国の妙心寺派僧堂の雲水が集まっての大接心(集中的に坐禅をする修行期間)が本日で終了。妙心寺山内の和尚様や関係者、近所の方などで門送(お見送り)した。雨が降っていたが多くの方が見送りに出てきていた。中には涙ぐんで見送る方も。
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 その後引き続き、完成した妙心寺のモニュメントの除幕式。多くの僧侶で般若心経を唱えた。テレビ局も2社ほど取材に来ていた。
 実は少し前(半月ほど前?)から建っている。元はガソリンスタンドがあった場所で、大きな通りに面しているためかなり目立つ。これは訪れる方の道しるべになるだろう。観光客増えるかな~(笑)。
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今さらですが、彼岸花 [宗教]

 昨日夕方撮った、寺の境内に咲く彼岸花の写真。もう枯れかけだが、白と赤の2種類が毎年咲いている。
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 よく知られるように、毒草である。田んぼの畦道でよくみかけるが、田を荒らす動物を追い払うためと言われる。そしてお寺の周辺、特に墓地でも多く見られるが、これはかつて土葬が多かった時代、死体が動物によって掘り荒されるのを防ぐため人手によって植えられたと言われている。うちの墓地周辺にあるのもそれが理由なんだろうか。
タグ:彼岸花
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数字で見ると [宗教]

 気がつけば連休も明日のみ、ああ、時間が過ぎるのが早い。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるが、朝晩はすっかり涼しくなった。今日の夕食は久々に鍋。もはや鍋が美味しい季節か。あまりに美味しくて少し食べ過ぎてしまった、苦しい(汗)。

 ちょっと前に買った「週刊ダイヤモンド9/12号」に「全宗教法人信者数ランキング」というのがあった(それを見たくて購入した)。時間がなくてろくに読まずに放っておいたのであらためて開けてみる。臨済宗妙心寺派は‥‥、ほう、41位ですか。もう少し上でも良い気がするけど、こんなもんか。おっと、意外な宗派が上にある!。見ない方が良かったかなあ(苦笑)。こうした数字は決して競い合う必要はないけど、知識として知っておくとこれから色んな宗派を見るときに面白いかもしれない。
 それにしても上位はほとんど「仏教系」だ。この数字、これから50年ほどしたらどうなっているだろう。ちょっと見てみたい。
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ご先祖様 [宗教]

 彼岸中ということで本日は午前中、6件の檀家様をまわってお経を唱えさせていただいた。明日は4件まわらせていただく予定。いつもあたたかく迎えていただきありがとうございます!。

 お彼岸中はお墓参りに訪れる人が多い。ある方から、「お墓に行けば、亡くなった方に会っているような気持ちになる」という意見を耳にした。現代の人は決して、死者を粗末に扱っている訳ではない。皆、追慕や哀悼の心は昔と変わらず持っておられると思う。ただ、そこに仏教的な意味を見出せていないように感じる。そもそもご先祖様を祀ることは仏教よりも道徳的意味合いの方が強いのだが、しかしご先祖様を敬い、亡くなった後も供養を続け、仏さま同様心のよりどころとし、安心を得ることは紛れもなく宗教的である。また、ご先祖様を大切にする心はまさに、「仏の心」そのものだと思う。ただ、その辺を尋ねられたとき自分でもうまく説明できるか自信がない。修行が足りないなあ(汗)。
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彼岸会 [宗教]

 本日は午前十時より、当寺の彼岸会(永代供養施餓鬼)を開催。檀信徒の皆様にはお参りいただいた上に、後片付けまで手伝っていただき、大変恐縮でした。ありがとうございました!。

 彼岸とは、3月と9月にある春分と秋分の前後三日間にわたる一週間を指し、「お彼岸」と世間では呼んでいる。その期間に寺院では「彼岸会」という法要を営むことが多い(当寺では秋のみ開催している)。
 最近少なくなっているかもしれないが、家庭では彼岸団子やおはぎを作ってご先祖さまにお供えする。仏教を伝えた中国やインドではみられない、日本独自の習慣である(らしい)。
 彼岸という言葉はサンスクリットで「パーラミター」と言い、中国では「到彼岸」と訳された。迷いや悩み、生死にとらわれているこの世界(此岸)から、何にもとらわれない安らぎに満ちた涅槃の世界(彼岸)に到ることが仏教の修行の目的である。仏教信者の方々は、この「お彼岸」の期間、お仏壇の前で心静かに手を合わし、今一度自らを見つめなおし、心の安らぎを得ていただきたいと思う。
タグ:彼岸
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 [宗教]

 今さらですが、米大リーグ、マリナーズのイチロー選手はすごいと思う。イチロー選手を見ていて思うのが、俗世間的な「欲」を感じないということである。「良い成績を残してお金をたくさんもらいたい」とか、「誰かを見返してやりたい」とか、そういうことを目的に野球をしているのではないと思う。見ていて伝わってくるのは、野球が好きということと、野球を通じて自分の限界に挑戦し続けているということである。お金や名誉はあくまで結果である。
 う~ん、まるで雲水(禅宗の修行僧のこと)のようだ。しかも今日、我が宗門の雲水でそれほど高い意識で修行している者は、はっきり言って少ないだろう(汗)。余計な「欲」を持ったまま修行しても長続きしないし、大成しない。強い「欲」を持った者が修行道場に居ると周りに悪影響を及ぼすことがあるし、決まってそうした者が問題を起こす。余計な欲は捨て去って日々過ごしたいと思いつつ、凡人の私はなかなかそうはできない。思いが足りないということもあるだろう。イチロー選手に学ぶことは多い。
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